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食事の手間が一切なくなる?完全食とは何か?
誰でも「健康でいたい」という願いは持っているものです。しかし、普段忙しく働いている人たちにとって健康とは非常に手間がかかるものです。これを食事の面から完全にサポートできる完全食というものがあります。これまでは卵やさつまいもが完全食に最も近い存在でしたが、人が作り出した完全食というものがあります。今回はこの人が作り出した完全食が人の生活をどう変えていくのかを考えてみたいと思います。
完全食とは何か?
人は健康を維持するために、多くの食品からその栄養を摂取しています。食品にはそれぞれ特徴があり、糖質・脂質・タンパク質の3大栄養素を軸としてビタミン・ミネラル・食物繊維などをそれぞれの食品から補って健康を維持しています。
しかし、毎日の生活に追われて健康な食事ができない人も多いでしょう。そこで注目され始めたのが「完全食」です。完全食は1日分の必要な栄養が含まれた食事のことをそう呼び、理想の食事とされました。卵、さつまいも、納豆、玄米、乳製品などがその代表的な食材として選ばれたのです。
そして、人はその完全食を更に進化させ、必須栄養素に過不足がない食べ物を作り上げたのです。
人が作り出した完全食
自然界にあるもので、1つの食材で全ての栄養素を摂取することはできません。しかし、1つの食材で、それを実現させることができたとしたらどうでしょうか。それだけを食べていれば食事で栄養素を偏りなく摂取し続けることができるのです。
「ソイレント」と呼ばれる完全食がアメリカで発売されたのは2013年です。開発者であるロブ・ラインハートは「食事を不要にして食費を削減しよう」と思いその開発に取り掛かりました。
「ソイレント」は粉末を水に溶かして飲むタイプの食品で、肉や野菜を使った従来の食事を取らずに生きていくことを可能にするという画期的な商品でした。これは日々の生活の中で料理していた時間や費用を削減し、かつ世界的な食糧問題を解決できる可能性も含んでいたため、非常に注目を集めました。
その後、一部で「ソイレント」を摂取し具合の悪くなる人が出たためにこの商品はまだ「不完全さ」も残っていたと揶揄される結果になりました。しかし、現在では「COMP」という日本の栄養基準に準拠した完全食である商品が発売されていたり、「BASE PASTA」というパスタタイプの完全食を日本でも購入することができます。
「完全なる」完全食が人や地球に与える影響
完全食は「食のIT革命」とも呼ばれています。日本ではダイエット食と勘違いされがちですが、人に開発された完全食は栄養をバランスよく摂取することを目的としており、全く別のものです。
完全食がもたらす人への影響はどんなものがあるでしょうか。身近な例をあげるのであれば、食事を準備する手間から解放されるということがあります。食事の準備にはある程度の時間がかかるものですし、栄養を考えられたメニューは非常に難しいものです。完全食は忙しい時でも調理や後片付けの手間がかからないため、時間に追われるビジネスマンには最適といえるかもしれません。
完全食はアレルギー問題を解決する手段になる可能性があります。食物アレルギーは人によって異なります。小麦アレルギーなどがあり、主要食品が摂取できない人は非常に生きづらい世の中になってしまっている現状があります。しかし、完全食でその栄養素を補うことができるとしたら、アレルギーなどに考える必要がなくなるのかもしれません。
また地球規模で考えるのであれば、前述したように食料問題にも大きな影響があるでしょう。現在地球の人口は増加し続けており、供給量において深刻な食料問題を抱えているといえるでしょう。その一方で食品ロスの問題があり、抜本的な解決手段が必要なのです。その意味においても完全食の開発はその手段となる可能性を持っています。
完全食が人の時間の概念を変えるか?
完全食は、今まで食事にかけてきた手間を短縮する可能性を持っています。人は有史以来、食べるための準備に多くの時間をかけてきました。狩猟を行い、その食べ物を効率よく分配し、保存し、開発し続けてきました。そうした時間を短縮し、人はまた別の仕事をすることができるようになります。
完全食は、その栄養素をバランスよく摂取できる食品です。そのため、人の健康寿命を長くする可能性もあるでしょう。かつて日本は60歳が退職の年齢でしたが健康寿命が延びたこともあり一般的な企業では65歳まで引き上げられつつあります。健康で長生きできる人が増えていることがあるかもしれません。完全食はそれをさらに進化させることができるのです。わかりやすく言うと、「人の時間の関係性を変える」ものなのです。
しかし、今のところ完全食には多くの壁があります。例えばその食品が「美味しいのか?」と聞かれれば決してそうではないのです。これは開発途上であるため、やがて解決できるかもしれません。しかし、それを食べ続けることに飽きはこないのでしょうか?また、美味しい食事をするという快楽から人は逃れることができるのでしょうか。
完全食にはこれまで以上に多くの注目が集まり続けるでしょう。