時間価値を上げろ!【2024年 利益向上委員会】
【書評】ゼロ秒思考は究極の時間管理術
時間管理術といえば、タスクを洗い出して整理して優先順位をつけて効率よく仕事していく……
という方法が一般的ですが、赤羽雄二氏著の「ゼロ秒思考」では思考を高速化する方法か説かれています。
目の前のタスクを整理するのではなく、自分の脳内のCPUを高速化して、サクサク意思決定をして仕事をこなすというイメージです。
頭の回転を早くして、仕事の処理を速くすれば、究極に時間が効率化できそうです。
頭の中の整理され、ハイスペックな自分に生まれ変わった気分になります。
仕事が速い人と遅い人の違いは何か?
赤羽氏曰く、仕事が速い人とはズバリ決断が早い人と言います。
超一流の人は常に即断即決で、瞬時に物事の本質を見極めて、素早く問題解決に導きます。
一方、仕事が遅い人は、いつまでも決断を先延ばしにします。
「一生懸命考えているつもりで、実際は立ち止まっている、という人が意外に多い。前に進まない。 あるいは、空回りする。気になることがあると、頭がうまく働かず、考えが深くならない。」
引用(赤羽雄二著「ゼロ秒思考術」より)
など、仕事が遅い人の【考える】という行為は無駄ばかりだと切り捨てます。
頭の中にはモヤモヤとしたイメージアや言葉が浮かんでは消えていき深い思考に入るのを邪魔しています。
それじゃ、頭の回転を早くするには、どうすればいいの?
第一、仕事の能力は最初から個人差があって、凡人は努力してもそこまでにはなれないんじゃないの?
という疑問が出てきます。
赤羽氏は元々人間はみんな誰でも頭がいいのだと断言します。
仕事のできる人とできない人との違いはたった2つだけです。
- 考える訓練の欠如
- 生産性の概念の欠如
から起きていると言います。
その考える訓練こそが本書が提案するメモ書きで、考える訓練を経た究極の結果が、即断即決できる【ゼロ秒思考】なのです。
ゼロ秒思考はメモ書きで鍛えられる
「ゼロ秒思考」で紹介しているメモ書きは頭の中のモヤモヤを言語化して、吐き出すことで、頭の中をスッキリさせて、人間本来が持つその場その場の状況に瞬時に対応できる直感力を引き出します。
メモ書きを積み重ねることで、なぜ深く考える力を得ることができるのでしょうか?
1.頭の中の感覚・イメージを言語化する
2.思っていること考えていることを言葉で表現できるようになる
3.コミュニケーション能力が発達しリーダーシップが発揮するされる
4.空回りの思考がなくなり、本当に深く考えられるようになる
1・頭の中の感覚・イメージを言語化する
メモを書き出す時には何の制約もありません。
人の名前や欲望や憎しみや悔しさもありのままに全部書き出します。
誰かに見せるためのメモではないので、頭の中のもやもやを躊躇なしに外へ吐き出すことで、気持ちをすっきりさせます。。
その訓練を重ねていくと、次第に余計な雑念に惑わされなくなります。
2・自分の思っていること考えていることを言葉に表現する
イメージや感覚を言語化することに慣れてくると、頭で考えていることを苦もなく、外に伝えることができるようになります。言語感覚が磨かれて、細かいニュアンスの違いを読み取り、伝達能力が向上します。
言葉をアウトプットする抵抗感がなくなり、言葉を的確に扱えるようになります。
3・コミュニケーション能力が発達しリーダーシップが発揮するされる
言葉の感覚が鋭い人は自分の意思感情を相手に伝達することができるので、自分もストレスなく相手ともコミュニケーションが取れるようになります。
自然とリーダーシップが取れるようになります。
4・空回りの思考を止め、本当に本当に深く考えられるようになる
頭の中をアウトプットする能力がつくと、最終的には問題解決や新たなアイデアを創造できるようになります。
考えを全て書き留めて、現状を整理し、分析し、できる方法を複数あげ、具体的なアクションをリストアップします。
このように、感情・イメージを言語化していることを積み重ね、問題解決の方法をみつけ行動にまで落とし込めるようになるのです。
多くの日本人は作文が苦手です。
それは思考が1のままで止まっており、頭の中のモヤモヤを言語化しきれていないからではないでしょうか?
「ゼロ秒思考」のメモ書きを子供の頃から身につけて、誰もが問題解決の方法を自分で考え出し、具体的な方法まで導き出せる人材になったら、日本はすごいことになりそうです。
ゼロ秒思考と情報収集の関係
私たちは、何かの課題がある場合、それについて延々と情報収集を続けがちです。
インターネットで、いくらでも情報が入手できる時代になり、意思決定を先延ばしにしていると課題はいつまでも解決できなくなります。
ゼロ秒思考が慣れてくると、情報収集の点で2つの勘が働くようになります。
情報収集に対する目星もつけれるようになります。
メモ書きの効用
本書では、メモ書きの効用を4つ掲げています。
前述の通り、モヤモヤが解消され、課題が明確になり、優先順位がはっきりとします。
問題解決がスムーズに行き、人間が本来持っている能力が発揮できて結果につながり、自然と自信が溢れてきます、
感情を揺さぶられる出来事が起きても、その時の気持ちをそのままメモ書きにしていくと、感情が吐き出され、それを客観視することで心が落ち着いて冷静に対処できるようになります。
メモ書きをすることで自然体を維持し最善手を打てるようになります。困難な状況でも動揺することなく真摯な態度で取り組むことができるようになります。人を活かし、 リーダーシップが発揮されます。
メモを書き続けるだけで、大成長できるなんてやらない手はないですね。
メモ書きの具体的な方法
メモ書きのスタイルには高価なノートや高価なペンなども必要ありません。
どこにでもあるような道具で、今からでもスタートすることができます。
書き尽くした、考え尽くしたという感覚になると、明確な解決策ができあがり、具体的な行動プランも立てられます。
思いついた瞬間にメモを取ると言っても忙しい仕事の最中ではなかなか難しいかもしれません。
本書では、A4用紙を三つ折りにして常にポケットに入れておくことを勧めています。
メモ書きに最適な文具
・パイロット V コーンボールペン
パイロット V コーンは水性の書き味のなめらかなボールペンです。力を入れなくてもスラスラと文字が滑るように書けます。
短時間で文章を書き上げるメモ書きにぴったりなボールペンです。
・デスクワークの時は A 4用紙をクリップボードに挟んでおくことを推奨しています。
実際に1分メモ書き10枚に挑戦
本書の内容が本当に効果があるのか検証するため、実際に1分間のメモ書きを実践してみました。
実際に書いて見ると、わずか1分間では、タイトルと日付と文字を数行書いただけで時間切れになりました。
心の中のモヤモヤを吐き出そうとする前に終わってしまったというのが実感です。
ルール通り、1日に10回繰り返しましたが、結局はあまり書くスピードは上がりませんでした。
習得するまで、ちょっと慣れが必要かもしれません。
1つのメモに1分間というルールは最初のうちはちょっと難しいかなと思いました。
しかし、提唱者の赤羽雄二氏はこの1分間のルールは絶対だと強調します。
時間を死守せずに、だらだらと書いてしまったら、雑念にとらわれてしまって、本来の効果が薄れると説いています。
https://logmi.jp/business/articles/260889
既に実践をしている先輩達を参考にしよう
「ゼロ秒思考」は2013年に出版されており、多くの先輩たちが先に実践しており、その様子をブログで公開しています。
効果には即効性もあり、実行もしやすいので、多くの人はすぐに習慣化して、数年に渡り継続している人もいます。是非、参考にしてみてください。
てらブログ
https://terablog.org/zerobyou-shikou-jissen/
A.I-52
http://ai-52.net/book_zerobyoushikou/
メモ書きをさらに進化させる
感情を考えに変えてメモにするのを習慣化すると、書きためたメモを応用して、
思考をさらに深めることができます。
1ページに書いた4行6行のメモをタイトルにして、新たなメモを細かく書いていきます。
考えが非常に深まり内容も濃くなっていきます。
また重要なテーマは1ページだけでなく様々な角度から多くのページを書くと視野が広がって、頭が整理され客観的な判断ができるようになります。
集まったメモは、並び替えてロジックツリーにしたり、そこから企画書を書くことができます。
学生ならば、作文や論文。ブログの記事もこれで上手に書けそうです。
まとめ
「ゼロ秒思考」はメモ書きの一番最初の部分、自分の頭の中の制約なしにモヤモヤを言語化するということが一番大事です。
後に赤羽氏が「アクティブ瞑想」と名付けたように、マインドフルネス的な効果も期待できます。
「ブレインダンプ」や「GTD」など、頭の中のものを全部吐き出すと言うアプローチはたくさんありますが、ただ書き連ねるだけでは表面だけの目標や願望が羅列されるだけで、すぐに書くことがなくなってしまいます。
その点、ゼロ秒思考のメモ術は自分の感情・イメージを言語化するここから出発していますので、自分の本心が明確になって、軸がぶれることがありません。
そこが、一見似ている他のメソッドとは一線を画す部分だと思います。
ゼロ秒思考で、瞬時に本質をつかんで無駄のない時間、無駄のない人生を送りたいですね。