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困難な目標を設定・社内共有する意義 ~注目の目標管理法・OKRの導入で会社が変わる~
会社全体で達成困難な目標への挑戦を続けていく目標管理法、OKR。社員が会社を「一つのチーム」として意識するようになる、社員の主体性や創造性の向上などの効果が期待される目標管理法です。ここではOKRの特徴や作成手順などをわかりやすくご説明します。
OKRが注目される理由
柔軟な運用が可能で、社員の意識改革や部署同士の連携強化などが期待される目標管理法、OKR ( Objective & Key Results=目標と成果指標)。企業全体や各部署で掲げた目標の実現に向けた具体的な取り組みに悩む世界各国の企業から注目されています。
達成困難な目標をあえて設定すること、それがOKR の最大の特徴です。
会社としての目標とその目標の成果指標を設定した後、その目標に対応する部署ごと、個々の社員の目標と成果指標を設定します。その上で会社全体から社員ごとまで、全てのOKRを社内で共有。会社、各部署、個々の社員の目標に統一性を持たせ、達成困難な目標実現に取り組みます。目標達成に向けたプランに問題が生じた場合は、解決法やOKRの見直しなどをチームで話し合い、改善策を実行します。
このOKRを運用することによって、下記のような効果が期待できます。
- 組織の一体感、社員・チーム間の協力・連携体制の強化。
- 個々の社員の業務に取り組む姿勢が積極的、主体的になる。
- 各部署や社員ごとのOKRを共有することで、社員同士の情報交換が活発になる。
こうした効果、メリットを得やすい目標管理法として、日本国内でもOKRの認知度は年々、高まっています。
目標の設定
目標(Objectives)は、OKRを導入する理由、会社の将来ビジョンなどを検討した上で決める必要があります。経営陣だけでなく、社員からもOKRに関する提案を募って設定することが望ましいと言われています。
目標設定のポイントは、下記の通りです。
- 具体性
数値などで具体的に目標を表現します。「利益率向上」ではなく「利益率20%向上」とすることで、主観に左右されない明確な目標にすることが重要です。
- 達成可能性
OKRの目標は達成率60~70%の達成困難なものが適切とされています。困難な目標に挑戦することで、個々の社員の積極性の向上、社内の協力体制の強化などが期待されます。
- 達成までの期限
最終的な達成率を評価する期限を目標設定と同時に定めます。明確に期限を決めることで、目標へ向けた行動プランが策定しやすくなります。
こうしたポイントに留意し、まず会社の目標を設定。次に会社目標と連動するチームごとの目標、各社員の目標を設定します。
成果指標の設定
目標設定に続いて目標に対応する成果指標(Key Results)を設定します。
成果指標の設定における重要ポイントとしては以下の点が挙げられます。
- 具体的な数値によって設定
進捗を確認できる具体的な数値で成果指標を作ります。
「1ヵ月以内に売上15%上昇」といった明確な数値を用いて指標を作り、指標の認識にズレがないようにします。 - 目標ひとつに3個の成果指標が目安
ひとつの目標に対する成果指標の数は3つ程度が適切です。少な過ぎると客観的な評価が難しく、多過ぎると成果の確認に手間がかかってしまいます。
OKRフォーマットの活用
Googleをはじめ、OKRの導入・運用で成功を収めた企業が自社のOKRフォーマットを公開しています。こうしたフォーマットを参考にすれば、OKRを効率良く作成でき、導入・運用の重要ポイントを理解することができます。
※Googleのフォーマット「OKR スプレッドシート」
まとめ
OKRを導入・運用することで会社全体に一つのチームとしての意識が生まれ、社内の協力体制の強化やコミュニケーションの活性化、情報共有の円滑化といった成果を、国内外の多くの企業が収めています。
困難な目標に効率良く近づく方法を会社全体で考え、行動プランに沿って取り組んでいくOKR。この目標管理法が会社に与えるメリットは想像以上に大きなものです。